院卒新人サラリーマンのメモ代わり

備忘としてのメモを記載

物語が面白いって何がどう面白いの?

最近、プシュケの涙 (メディアワークス文庫)という本を読んだ。なかなかおもしろかったので感想をまとめたいなと思った。ただ、僕にとっては多々あることなのだが、面白いとは思ってもどこがどう面白かったのかを説明することができない。だから、この作品を使ってちょっと面白さを説明する練習をしたいと思う。まずは、今の時点で僕が感じたことを書く。その次にアマゾンのレビューを読み、共感できた文章などを参考にどこに面白さを感じたのかを分析したいと思う。

 

今の時点での感想

文章がとても読みやすい。サラサラとしていてくどい表現が少ない。内容については、読み進めていくうちに主人公のほうが少しおかしい気がしてきて、それが一気に暴かれていくあたりは面白かったと思う。やばい、これぐらいしか書けない。日常に事件が起こった系の物語だといまいちどこを書けばいいのかがわからない。例えると小学生の頃の思い出を語るときに遠足のような大きな出来事で思い出を語るのは簡単だけど、それ以外の学校生活で語ろうとするとうまく語れないみたいな。何気ない日常が楽しかったはず、だけど、何が楽しかったかはうまく説明できない。友達とくだらない会話をして笑いあうけど1日後にはなんの話題で笑い合ってたかすら思い出せないみたいな楽しかった記憶はあるけどなんだかよくわからない状態。

まぁ、とりあえずここまでで一旦終了。

 

アマゾンのレビューを読んで

すごい、レビューを読んでるだけで楽しい。一通りレビューを読んでみて思ったことは

本ってただ読んだだけじゃなくて自分の感じたことを表現して初めて本を楽しんだことになるのかもしれない。同じ本を読んだはずなのにいろんな感じ方をしている、同じようなことを感じたのに伝え方が綺麗などなどとても興味深かったです。

 

とりあえず、レビューにあったことをまとめてみます。

・第二部でこれから始まるはずだった2人の物語が一部冒頭で断ち切られてる。せつない

・彼方が由良に惹かれていけばいくほど、由良が彼方を振り回せば振り回すほど、二人に待ち受ける不可避の未来が脳裏を過ぎる。

・由良の描き方がうまい、一部ではミステリアスでつかみどこがない、二部では一転してとても愛しく人間味あふれる存在に。

・胸に刺さる感覚と心温まる感覚、ふたつが絶妙に混ざりあった繊細な物語

・透明感のある文章

 

これを踏まえての感想

一部を読んでる時は由良は不気味にしか見えなかった。ただ二部を読むことでそんな由良の別の一面が見えてきた。由良と吉野のぎこちないながらも少しずつ近づいていく様子はとてもほほえましい感じがした。ただ、読者は 一部でこの2人の物語が始まらないことを知っている。だからこそ、せつない、つらい。二人が仲良くなり、心をひらいていくにつれもっと二人の関係が続いてほしいと願ってしまう。

ここまで考えてみてやっと一部の由良が何となくわかってきた気がする。ここまで考えなければそもそも一部の由良の気持ちを理解しようともし なかったかもしれない。一部で由良が語ったトラウマについての言葉などがグサグサと突き刺さる。由良のやるせない気持ちがつらい。

 

他の人のレビューとの比較

僕は文章がうまいとしか表現できなかった文体を透明感があるなどと表現する。また僕にとっては不気味としか表現できない一部の由良をミステリアス、またなんて言えばいいかわからない二部の由良を人間味あふれると表現する。あとは表現がとても綺麗。これはうまく表現できないけどうっすらと何かを匂わせる文章なんだよね。この作品に関してのレビューに絞れば決して直接表現してるわけではないけど読めば切なさが漂ってくる感じ。あと思ったのは出来事ってあんまり書かれないんだなってことかな。代わりに何が描かれているかって言うとうーんよくわからない。まぁでも出来事以外で十分レビューが成り立つってわかったので十分。

 

まとめ

感想を書こうと意識すれば読み方も少し変わってくると思う。何に対してどういうふうに心動かされたのかをしっかりと感じること。面白いとか手が止まらないとかそんな言葉でごまかさない。登場人物はどう描かれているか、それがどういう印象をあたえるか。また登場人物の心の揺れ動きなどにも注目しよう。感情移入まではしなくてもいいけど、理解しようと努めよう。

これらに意識して本を読んでいこう。

 

 

プシュケの涙 (メディアワークス文庫)

プシュケの涙 (メディアワークス文庫)