院卒新人サラリーマンのメモ代わり

備忘としてのメモを記載

ブギーポップは笑わないの感想

夏休みになり、時間ができたので本を読むようになりました。今回読んだ本は

ブギーポップは笑わない (電撃文庫 (0231))

です。

この本を読もうとしたきっかけは、やはり知名度でしょう。どんな話なのかは全く知らなかったのですが、タイトルだけはなんか聞いたことがあったので読んでみました。読み終わってから気づいたのですが発行年が1998年なんですね。そんなに古い作品だったとは。では、そろそろ感想に入ります。

 

一言感想としてはあんまり面白くなかったかな。たぶん僕の趣味と合うわなかったのだと思います。理不尽に人が死んでいって何も報われずに終わってしまう。僕はどちらかと言うとハッピーエンド好きなんで感想は少し偏ってしまうかもしれませんがあしからず。

 

まず文章について。地の文は読みやすかったが、セリフが好きではなかった。独特のセリフ回しが苦手だった。ただ、登場人物はとても魅力的に描かれていた。登場人物はとても多いのだが、それぞれが特徴をしっかりと持っていて行動も理解できる。また、心理描写もしっかりとしていた。そのため、そのキャラがその時点でどう感じていたかがよくわかった。これはこの作品の独特の構成(後述)の中ではとても重要な事だったと思う。ただ登場人物が誰だかわからなくなることが多々あった。挿絵で紹介されてたがもっとガッツリと説明が載ってたらよかったと思った。

 

次に構成について。上で述べたがこの作品は独特な構成をしている。異なった時間軸、様々な人物から一つの出来事について語られ”読者”が理解していく感じ。前の章でよくわからなかったこと、何気ない出来事が次の章でわかっていき理由付けられていくのはとても面白かった。この作品のほうが先に発行されましたが、伊坂幸太郎もこんなかんじだなぁと思いながら読んでました。

 

かんじんの全体の物語についての感想。序盤は少し不思議な青春もの、ブギーポップは不思議だが特になんということはない。中盤から少しずつ猟奇じみていく。そして、ここらから異なった人の時間軸で語られているんだなと気づく。頭のなかでピースが埋まっていく感じで少しワクワクしながら読めた。ただ、終盤で顔をしかめたくなった。これで終わりなの?と。今まで様々な人が死んできた、何だか事件に詳しそうな人、宇宙人も出てきた。でも終わり方は、多くの人が死んだけど殺人犯である宇宙人を倒して一応平和が戻ってきたねッて感じ。もうちょっと詳しく動機づけや事件の説明をしてくれないと死んでった人が無念すぎる。(シリーズ物だから後々説明されていくのかもしれないけど。)

 

あとこれは僕の勝手な思い込みだったんだけどカバーに書いてあった”君には夢があるかい?この物語に出てくる少年少女達は、みんなそれなりに願いを持って、それが叶えられず・・中略・・無意識の前向きさで知らずに他人に勇気を与えたりしている”という文章と1章で竹田の悩みが解決したことでブギーポップが消えたり、全体が青春モノっぽい雰囲気から、少し不気味だけど悩みを解決したり夢について語ってくれる作品なのかなって勘違いしてしまった。そのため地獄少女のようになんとも言えない余韻を残してくれるのかなってワクワクしながら読んでしまった。ただ実際は全然そんなことはなかった。もしかしたらこれが原因で楽しめなかったのかもしれないです。

 

最後に自分の小説の読み方について思ったことを書きます。僕はもしかしたら小説の読み方がよくわかってないのかもしれない。僕は物語に何か意味を求めたくなっちゃうののだと思う。上の誤解もこの作品が余り楽しめなかったのもそれが原因かもしれない。自分が何を感じたらその物語に意味があったと思うのかがよくわかってないので、もう少し小説を読んで感想を書くようにして見ようと思う。

 

ブギーポップは笑わない (電撃文庫 (0231))

ブギーポップは笑わない (電撃文庫 (0231))